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奇妙な味わいの話 - 瘡蓋




友人のHくんは少し変わった青年で瘡蓋が好物だという。つまり、瘡蓋を食べるのが好きなのである。まだ少しじくじくとしたところを巧く剥ぎ取って口に入れると瘡蓋の瘡蓋の食感と血の鉄分と膿のねっとりした苦みが、彼に言わせると何とも美味なのだそうだ。

子供には何処か異食趣味のようなところがあって、壁土だの、教科書の端っこだの、絵の具だの、鼻糞だのを何気に口にしてしまうことが良くある。Hくんの瘡蓋食もそれが始まりで、子供時分に転んで出来た瘡蓋を剥がして、何気に口に入れたところ何とも美味かったのだそうだ。それ以来、怪我をして瘡蓋ができるたびに剥がしては喰い、剥がしては喰いしていたそうだが、だいたい人間、歳を重ねて成長していけばあまり転んだりぶつけたりしなくなって怪我もしなくなる。Hくんも例外ではなく高等学校に入った頃にはあまり瘡蓋のできるような怪我もしなくなって、そうそう瘡蓋を食す機会もなくなった。普通はそれでそのような異食癖は無くなってしまうものだが、Hくんの場合はもはや瘡蓋中毒といって良いほど瘡蓋の味に取り憑かれてしまっていた。そこでHくんが目をつけたのは彼の小学生の妹だった。

妹は学校でいじめられていたのか良く膝などに瘡蓋を作って帰ってくるのだそうだ。Hくんは嫌がる妹をなだめすかしたり、ご機嫌をとったり、ときには怒鳴りつけるなどして、妹の瘡蓋を剥がしては喰うという暴挙にでた。しかし、これは長続きしなかった。妹が両親に密告してHくんは父上に激しい叱責を受けることになったからだ。しかし、それで瘡蓋食への情熱が薄れるようなHくんではなかった。Hくんは怪我をして出来た瘡蓋を食すという狩猟採集民的なスタイルに問題があることに気がついたのだ。ただ偶然、瘡蓋が出来るのを待っているだけではいけない。好きなときに、食べたいときに瘡蓋を食するためには、瘡蓋の安定供給が必須であり、その為には人為的な瘡蓋の生産が必要であることに気がついたのである。

そこでHくんは、自分の両肘と両膝の四カ所を瘡蓋農場と命名し瘡蓋の生産を開始した。最初はアスファルトや河原のような地面がごつごつしているような処で意図的に転ぶことから始めてみた。しかし、何回かやっているうちにその方法だと思ったように瘡蓋を作ることは難しいということに気がついた。そこでHくんは如何に瘡蓋を効率的に生産するかそのノウハウを得るために様々な手法を試してみたそうだ。例えば、粗い紙ヤスリで肘を擦ってみたり、アスファルトにスライディングをしてみたり。いろいろ試しているうちにHくんは剣山と金ブラシを組み合わせた方法がベストだと判断するに至った。

まず瘡蓋の生産予定地に剣山の針をぽすぽすと叩くようにして皮膚に小さな穴が無数に開いてぷつぷつと小さな血球が出てくるまで傷つける。その後、その無数の小さな傷の上を金ブラシでゆっくりと強めに擦って皮膚の表面の広範囲にわたって裂傷を作ってやるのである。そうすると皮膚全体から血とリンパ液がしみ出しやがて大きな瘡蓋が出来る。後は出来た瘡蓋を収穫するだけである。この方法のメリットは瘡蓋の生産する範囲を細かくコントロールするのが容易であることと、いちど瘡蓋を作ってしまえば剥がした後も金ブラシで定期的にメンテナンスすることで次々と瘡蓋の再生産が可能であるということだ。

瘡蓋農場のメンテナンスはHくんの日課となり、Hくんは夢見た瘡蓋の安定供給を実現させた。Hくんの両肘、両膝にある瘡蓋農場には常に新鮮な瘡蓋が生産され続けており、いつでも好きなときにHくんに瘡蓋を供給してくれるようになったのである。一度、見せてもらったことがあるが、Hくんの両肘、両膝には直径6センチメートルはあろうかという大きな瘡蓋が育成されており、門外漢の私にもその瘡蓋が丹誠込めて作られたものであることは一目で判った。それほど見事な瘡蓋なのであった。

Hくんの目下の悩みは瘡蓋の増産である。瘡蓋の安定供給はHくんの瘡蓋の需要も大きく拡大させる結果になった。その為、需要に対して供給が追いつかなくなったのである。Hくんは瘡蓋農場の農地の拡大を試みた、従来の両肘、両膝の四カ所から、両の脛、前腕、お腹と次々に新たな瘡蓋農場を開設し、Hくんの身体は殆ど瘡蓋人間のようになってしまった。しかし、瘡蓋の増産はさらなら需要の喚起となり、Hくんのもはや狂気ともいえる瘡蓋に対する需要に供給が追いつかない状態が続いている。Hくんは今、さらなる瘡蓋の増産を求めて外地での生産を見当しているらしい。つまり、誰かよその人の身体に瘡蓋農場を開設して瘡蓋の増産をしようというのである。そして、Hくんがその候補地として考えているのがどうやら私の身体であるらしい。どうも先日からHくんの私を見る目がどうにも怪しいのである。そういう次第でHくんと会うのは避けようと思う、今日この頃なのである。

 

by hugo-sb

Sweet Sweet Gwendoline. - 奇妙な味わいの話 - 瘡蓋
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2007.01.24[Wed] Post 22:26  CO:0  TB:0  未分類  Top▲

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